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ImSAFERとは、「Improvement for medical System by Analyzing Fault root in human ERror incident」」の略で、ヒューマンファクター工に基づき、医療現場で発生するインシデント・アクシデント事象を効果的に分析することを目的とし、河野龍太郎氏が医療向けに開発したRCAの一つの分析手法であり、2008年5月からスタートしました医療安全全国共同行動で掲げられております8つの行動目標の一つ「事例要因分析から改善へ」にて推奨されている手法の一つになります。
ImSAFERの特徴は以下の通りです。
1.現場で実際に働いている人が使える
2.簡単な講義と実習を受けるだけで使えるようになる
3.人間の行動モデルをベースにしている
4.実施された改善策の評価までの手順が準備されている
5.各手順において、それぞれ便利なツールが提供されている
6.改善策立案の発想手順がある
7.エラーメカニズムやリスク低減の考え方を学ぶためのツールとしても利用できる。
中でも最大の特徴は、人間の行動モデルをベースにしている点であり、このモデルを取り入れた事で、多くの利点がもたらされることになりました。
背後要因を探る際、Medical SAFERは最終事象から分析をスタートしていました。この場合、ロジックを丁寧に追っていけば、理論的にはほとんどの問題は背後要因として抽出することができます。
しかし、場合によっては部分的な問題だけの背後要因が明らかになれば十分ということも考えられます。そこで、ImSAFERでは、効率の良い分析やより簡便な分析のために、分析のレベルを3つに分けました。このレベル分けにより、目的やリソースに応じて適切なものを選択して使うことができるようになりました。
分析レベル |
分析内容 |
想定利用者 |
LevelV |
エラー事象の構造分析
fault root analysis |
病院の医療安全管理者 |
LevelU |
出来事流れ図分析
event flow analysis |
部署のリスクマネジャー |
LevelT |
ワンポイントなぜなぜ分析
one point why-why analysis |
個人 |
Level0 |
事実の把握
時系列事象関連図 |
全員 |
また、背後要因を探索するための説明モデル「P-mSHELL」や、有効な対策立案を検討するための体系的な思考手順「STEP/4M」など、分析作業を支援するためのツールが組み込まれており、この各ツールを活用することで、人間の思考過程の抜けを防ぎ、効果的な対策へと結びつく分析作業が可能となっています。
P-mSHELL |
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STEP/4M |
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<ImSAFER>の7つの手順について
ImSAFERは以下の7つの手順にて構成されています。
手順1 |
時系列事象関連図の作成 |
手順2 |
問題点の抽出 |
手順3 |
問題点の背後要因の探索 |
手順4 |
考えられる改善案の列挙 |
手順5 |
実行可能な改善策の決定 |
手順6 |
改善策の実施 |
手順7 |
実施した改善策の評価 |
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